「世界ケンカ旅」大山倍達 徳間文庫
空手家・大山倍達の若かりし頃の記録。
清澄山での一年半の山ごもり、山からおりて牛を49頭倒し、70頭の角を折る。
空手を広めるためにアメリカへ渡り、プロレスの前座として巡業する。
世界中の格闘術を観てまわり、また対峙する。
裏表紙には「男のためのケンカ術」と書いてあり、世界を旅する間に訪れた危険にどのように対処したか、具体的に描かれている。
相手の態度がわかるまで部屋の電気のスイッチを背にして立つこと、自分の気持ちをできるだけ落ち着かせること、相手の神経をなんとかかき乱すこと、急所の狙い方等。
心身をきたえて、身体ひとつで世界に飛び出して、闘って、セクシーな女性がその強さに寄ってくる。
なんてわかりやすい素敵な世界だろう。
経済や法治や思いやりやなんやらのしがらみのない、シンプルさ。
「深夜特急」を読んだ中学生以来ひさびさに、男になりたいと思った。