食の嗜好

母は料理が不得意だった。

面倒くさがりで甘党だったため、出汁をひかず、煮物は甘く、野菜はいつも大きめに切られていた。

あんこと果物が好きで、ご飯に牛乳をかけたものをよく食べていた。

父はカレーが嫌いで、和食派だった。キムチとかっぱえびせんが好きだった。

私は牛乳が飲めない。果物とおかゆが好きで、外食するならそばか天ぷらか地中海料理がいい。

弟は食に興味がなく、キシリトールガムばかり噛んでいた。

夫の親族は揃ってにんじんが嫌いだ。

夫の母親と夫は鶏皮や内蔵の煮込みが好きだ。

夫の父親と夫は瓶詰めのマヨネーズが好きだ。

夫と私は料理の味付けや好みはぜんぜん似てないが、美味しいか不味いかの判断は似ているところがある。

 

食の嗜好は遺伝や味蕾とは関係ないように感じる。

家族の影響を受けやすい人と受けにくい人がいるけれど、その人の性質や生き方に沿っていくのではないだろうか。