大掃除
まず大掃除しなくてはと思い立つ。
ぼんやり浴室のカビ取りや換気扇の油汚れの掃除や片付けなどのイメージが浮かんでいる。
よく晴れた日に早起きして一気にやり遂げて、くたくただけど家はピカピカ、すっきりしたエンディングを信じている。
やり始めてから気付くのだ。大掃除という3文字のなかに、日常の掃除のルーティンワークに含まれない膨大な雑事がまとめられていることに。
大まかに分けると、
・ものの把握と不要なものの処分
・ものを移動させての掃除、汚れと対峙し分析し対処する
・普段みないふりをしていた用事を片づける
他にも必要なものの買い出しや調べものなども必要だ。
たくさんの時間と情熱と体力を持ち合わせた人なら、お祭りのように、例えば一気に処分、一気に掃除、一気に用事をすませることができるのかもしれない。わたしにはできるイメージすら湧かないけれど。
早起きもできないし、効率よくもできないし、すべてを投げ出すこともできないので、終わりを考えず、玄関から地道に始めることにした。
不要な靴を処分し、掃き掃除と拭き掃除をした。これから靴を洗って、修理が必要なものをお店に持っていく。
日常のルーティンワークに組み込めないかを模索し、不要なものや不要な雑事を減らして次回の大掃除の容量を減らす方法を考えなくてはならない。
強制でも仕事でも好きなことでもないのに、休日を使って正解を探している。しみじみと不思議なことだと思う。
終わりがなさそうでいて、どこかに自分の生き方のなかに収まるやり方があるのだと信じている。ひとつ片付けて掃除するごとに確かに幸福はある。