掃除
理想の掃除はお寺の掃除。
頭も胃腸も心も掃除済のお坊さんが作務衣を着て、毎朝掃除をする。
物が少ない室内は磨き上げられ、木の床は黒く光り、風が通る。
薄着と冬の庭は寒そうなのに、清々しさを感じる。
友人と古い一軒家に住んでいた頃、私の部屋は四畳半の和室だった。
荷物はトランクひとつ。床の間に全ての洋服をかけ、畳の上にはちゃぶ台とたたまれた布団しかなかった。
休みの日に掃除機をかけて布団を干す。あの頃は心の中は嵐だったが、掃除は理想の形に近かった。
今は多すぎる荷物(主に本と情報)に複数の部屋、やる気と時間を計って膨大な掃除量にうんざりしている。洗濯機とベランダが小さいため、洗濯にも毎日毎日追われているように感じる。
ものを減らし、掃除を効率化し、どこまで掃除するのかラインを引いて、プレッシャーを減らしたい。
家事を身軽に、幸福にやり遂げたい。