結婚式

晴れやかな空の下、白いドレスとタキシードの二人。

きちんと出会ってきちんと結婚し、きちんと世間にご挨拶。

二人も両親も友人も、全員を幸福にする儀式。

もちろんわたしも幸福になり涙ぐんでしまう。

でも、招待状が届いたそのときから、どこかに窮屈で視界が狭くなるような息苦しさと暗さを感じている。

夫婦と家族の気持ちと行動は純粋で圧倒的で素晴らしい。

様々な年代のひとと共有できるように、マナーがあることも理解できる。

しかしそこに付随する、イメージ戦略や洗脳によって余計にお金の量を増やそうとする経済社会の意図が、快くない。

ドレスやフランス料理や時間帯による服装の違いや使ってはいけない言葉やのし袋のかたちや引き出物や、儀式の意図とは遠い様々なものごと。

どうしたら主役たちを祝福できるのかではなく、今までこういう慣習でやってきてるから、高いお金を出してルールに沿って物を揃えて、こういう行動だけしてねとやんわり押し付けてくるのだ。

貧乏で頑固で面倒くさがりのわたしが、すこしだけ素敵で居心地のいい服装で、わくわくしながら集合して、自由に心から祝福できるような世界がいいな。