不倫

多夫多妻が理想だった。

それぞれがお金を稼ぎ、自分の生きたい人生を生きる。

趣味や価値観、生活のだらしなさや人生への真剣味、はたまた性が合う人と共に生きていても、恋をすることを止めなくていい。

わたしのことを一番好き、という状態を永遠に保つことを神に誓わなくていいんです。

子供が生まれたら、母と子の結び付きは何より優先されつつも、お金や価値観をゆるいコミュニティの中で分け合えばいいのではないかと考えていた。

だがしかし、現実の不倫をちらり見ていくと、生活との折り合いがついている人を1人も見かけない。

恋愛が始まれば、自身の幻想(相手との共同幻想ではなく)にすっぽりとはまり込んで、

幻想のお金を使い

幻想のセリフを吐いて

幻想のパフォーマンスをすることになるのだ、必ず。

だから、幻想より下位に置かれた夫あるいは妻は、貶められ納得もできず傷は埋まらない。

つまりコミュニティの中に収まるのは無理なのだ。

幻想をやめるか、コミュニティから離れるしかない。

たくさんの人たちの中でそれぞれの価値観を育てて、どこまでも理性的にスマートに合理的に集約できるかと思いきや、簡単に言葉が通じなくなってしまう。

どうしたら生活が簡単にできるか、感受性を閉じ込めないでいられるか。