共同幻想
女の子が多分にそうであるように、小さな頃は性に対して潔癖だった。
汚らわしく恥ずかしいことであると、外部からのイメージによって刷り込まれた。
その後になって、様々なバリエーションの情報を得て、
動物の繁殖や、色っぽい美しい女性や、妊娠も含めた、自分が許容できるイメージを受け取った。
そして個人的な幻想を温めている。
自分が色気も兼ね備えた魅力的な女性で人から求められているという自己充実感。
そして愛を得たという満足感。
満たされている自分。
健康で、清潔で、幸福で…。
そこに相手の幻想の入る余地は無い。
「生命式」という本を読んだ。
そこには男女が共同の認識を持ち得たセックスをする世界が描かれている。
それは幸せなのではないだろうか。
子供の頃から充分に気をつけた共同のイメージを与えられ、本能と個人の幻想を許容することができればいいのに。