2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「僕は鳥になりたい」西炯子 小学館文庫

表題作。 特に春先になると ぎしぎしと何かがきしむような音がした それは何かがせめぎ合ってるような音だ そして常にその音は俺の体の中にもあったのだった 東京から離れた男子校。4人部屋の寮に暮らす高校3年生の針間。(受験にはとらわれない、作家志望、…

「BANANA FISH ANOTHER STORY」吉田秋生 小学館文庫

少女まんが家にしてコンクリートの廃墟を描くのが得意とのこと。 大雑把に言ってしまえば、NYのギャング・ストーリー。圧倒的な筋運びの面白さ。 主役のアッシュの魅力。(灰色がかった金髪と怒ると赤い色に見える、悪魔の緑色の瞳。IQ180以上の頭脳。鍛えら…

「ゲゲゲの鬼太郎①」水木しげる 中公文庫

小学校低学年の私は同級生の家で、アニメを観ていた。 記憶によれば、ねずみ男に騙されて鬼太郎が海のバケモノになってしまうという筋書きだったと思う。 何倍もの大きさにふくれあがり、汚い緑色になり、声が出せなくなった鬼太郎。 小舟に乗ったともだちに…

「墓場鬼太郎①」水木しげる 角川文庫

貸本まんがとして描かれたものの復刻版。 この頃(1959)の技法・印刷技術については全くわからないが、収録されたカラーページはポスターのように素敵である。 黒と白の一枚の版画のような一コマに、むしろアメコミの主人公のようなサラリーマンが登場する…

「蔵六の奇病」日野日出志 リイド文庫

作者のマンガ世界の原点だという6作品が収められている。 なかでも「赤い実のなる踏切」が素晴らしい。 他の作品でも、一コマが一枚の絵としても成り立つくらい丁寧に描かれている(表題作は39ページを完成させるのに丸一年かけたとのこと)が、「赤い実のな…