2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

家には3種類の塩がある。 さらさらした海塩と岩塩と昆布の味がする塩だ。 別に料理が上手で使い分けている訳ではない。 使いこなせないので、いつまでも減らないのだ。 岩塩は鉱物だそうだ。自然の力で結晶化したもの。

コート

お洒落な人は、秋冬の重ね着の季節が好きだと聞く。 私はお洒落ではないので、重ね着が苦手だ。 天気予報や予定を考えても、それにぴったりと合う服はないのに、さらにトップスとカーディガンと上着を合わせるなんて。 そして、コート。 いくつかのコートを…

掃除

理想の掃除はお寺の掃除。 頭も胃腸も心も掃除済のお坊さんが作務衣を着て、毎朝掃除をする。 物が少ない室内は磨き上げられ、木の床は黒く光り、風が通る。 薄着と冬の庭は寒そうなのに、清々しさを感じる。 友人と古い一軒家に住んでいた頃、私の部屋は四…

両親

家族仲が良かったわけではない。 父親は昔ながらの一番風呂と上座にこだわり、ひどい癇癪持ちで、嫌味を言わずにはいられない人だった。自分のことは秘密主義で他人の価値観は認められなかった。 しかしその自分の価値観と世界を作り上げるパワーで、事業を…

好きな言葉

胸に世界の果をもつものは、世界の果に行かなきゃならぬ 安倍公房 人生はJOYだ。そう思うことだけが反逆なのだと思う。 吉本ばなな

散歩

武蔵小金井を散歩した。 南口から西の方へ歩く。通勤の際に住宅街を歩くときは、敷地いっぱいに詰め込まれた建物や中の様子が分からないように拒絶している窓に息が詰まるのだが、散歩のときは違う。 家が並んでいるのに、誰もいないような静けさ。光が降り…

大掃除

まず大掃除しなくてはと思い立つ。 ぼんやり浴室のカビ取りや換気扇の油汚れの掃除や片付けなどのイメージが浮かんでいる。 よく晴れた日に早起きして一気にやり遂げて、くたくただけど家はピカピカ、すっきりしたエンディングを信じている。 やり始めてから…

おばあさんとおばさん

なりたいおばあさんのイメージは昔からはっきりしていた。 大きな口を開けて、たくさん笑う。小柄でふくよかで足が小さい。髪はひっつめで、カラフルな布を巻くこともある。はっきりした色のワンピースを着ている。小さな小屋のような家に住んでいる。洗濯物…

ワイン

はじめてきちんとワインを飲んだのは、友人がスーパーで買ってきた赤玉ワインだったと思う。その後自分でも買って、赤はそのまま、白は炭酸で割って飲んだ。その友人とその畳の部屋のイメージもあいまって、ほわんと懐かしいあたたかい味を覚えている。 バー…

ステーキ

テレビで長寿の女性の食生活について取材しているところを観た。 沖縄のおばあちゃんだったと思う。 毎日ステーキを食べているとのことだった。 わたしは無性にそのおばあちゃんに憧れた。 現在は肉食はとくに好んでいないのに。胃腸が弱いし、思想的にもベ…

歌う

よく歌っていた。外でも家でも。 身体中に響かせて、大きな声で。 あまり特徴のない声だし、自分に酔っていたし、不快に感じたひともいただろう。 それでも激情といえるほどの非日常の感情を身体を使って発露することが必要だった。 そのうちに自分の歌がで…